「愛用していたカルティエの時計が動かなくなってしまった。」
そんな時、電池交換をどのようにすべきかをリユース業界目線でご紹介します。
それでは、カルティエの時計をプロに依頼して交換作業を行ってもらう場合の費用感を一覧表で見ていこう。
カルティエ時計の電池交換費用と依頼方法一覧
種類 | 時計修理店 | ホームセンター | メーカー | 自己交換 |
価格 | 2000円~4000円 | 1500円~3500円 | 5,000~1万円前後 | 0円(要工具) |
期間 | 即日~数日 | 即日 | 二週間 | 数時間 |
技術力 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | 未知数 |
特徴 | プロ対応・即日 | 最安値 | 確実性・品質の保持 | 工賃無料 |
※自己交換を比較目安として記載していますが、オススメしない方法です。
単なる電池切れが原因ではなく、内部機構の不調や故障によって動作が停止することもあるので、電池交換後、スグに動作が停止した時には、時計内部の不具合を疑うべきである。
そして、電池切れの時計を長期間放置することは故障やトラブルの原因になるので、絶対に放置NG。
電池から電解液が漏れ出し、内部パーツが錆びてしまう。時計が止まった時点で放置せず、なるべく早めに電池交換を行うように心がけよう。
目次
電池交換の依頼手段は四つ「何を求めるか」で考える
電池交換は、「時計修理店」「メーカー対応」「ホームセンター」「自己交換」と4つの選択肢がある。
4つそれぞれに特徴があるため、価格・品質・スピードなど、時計を電池交換するときに「何を求めるか?」で最適な依頼先が変わってくる。
まずは、求める項目別にオススメの依頼先を見ていきましょう。
無論、品質はメーカー対応が最強なのは言うまでもない。
しかし、その分費用が高いため、依頼を考える際にはメーカー保証の有効期限や有無を必ず確認しておこう。電池交換以外にも調整や洗浄・点検といったオプションが付くことが多い。
価格・品質・スピードの中間に位置するのは時計修理店への依頼。
メーカー対応より安く、作業時間も比較すると短い。技術に関しても問題ない。一部悪質な業者がいることには注意すべきであるが、無難な選択肢の一つといったところ。パーツ交換や各種点検を行う場合、メーカー依頼と変わらない価格帯になってしまうこともある。
安さ・早さ(利便性)であればホームセンターの電池交換になる。
電池交換レベルであれば、ホームセンターでの依頼でも問題ない事が多い。価格も比較的安価で、作業完了までも早い。一方で、高額な時計は断られてしまうことや、提携する時計修理店を経由して電池交換を行うケースもあるので注意。
非推奨だが、作業に自信があるなら自己交換が最も早く安く行える。
「電池交換の自己交換を推奨しない理由」は後記しているが、もし自信があってチャレンジしたいのであればYouTube動画などを参考に作業するといいだろう。
ただし、電池交換だけでなく、本体の修理やパーツ交換が必要なケース※もあるため、時計修理店・ホームセンターでの依頼にはいくつかの注意点があることを覚えておこう。
この注意点については各項目で解説しているので、それぞれの特徴と共に見ていこう。
意外と知られていないのだが、時計の修理・電池交換など”時計技師”として知識や技能を評価している国家資格「時計修理技能士」というものがある。
1級~3級まであり、時計修理の実務経験が受験資格となっている。試験も筆記・実技を伴う内容であるため、知識だけでなく技術も問われる実践的な資格と言えよう。
無資格者でも時計修理・電池交換を行うことは可能であるが、選択するなら「時計修理技能士」の取得者が在籍している依頼先を選ぶべきだろう。
修理業者側もアピールポイントとして資格取得者の在籍を記載していることが多いので、依頼先の判断材料として覚えておきたいところ。
メーカー依頼でカルティエ時計を電池交換する場合
メーカー公式サイト曰く「カルティエ時計の電池は3年が平均寿命」とのことである。
購入から2年以内であれば保証対象として、無料で電池交換サービスを受けられる。修理依頼する前に、メーカー保証の対象か確認しておくべきだろう。
また、カルティエの保証期間は2年間であるが、「Cartier Care」へ登録することで期間延長が可能なため、未登録の方は登録手続きを行うことをオススメする。
【カルティエ公式サイトより】
<カルティエケアの登録方法>
時計に付属している保証書に「Cartier Care」のQRコードが印字されている場合、QRコードリーダーで読み取ると、簡単にCartier Careへ登録できる。(※QRコードの印字が無い場合には、Cartier Care公式サイトより時計のシリアルナンバーを入力することで登録可能だ。)
【Cartier Care公式サイト】
電池交換の費用目安
5,000~1万円前後
※時計のモデル・タイミングによって若干変動します。
メーカー依頼の長所・短所
長所
・電池交換以外にも各種点検を行ってくれる
・モデル毎に最適な方法で電池交換を行うため、長期使用する上での劣化・トラブル確率は最も低い
短所
・メーカー独自の検査基準は時計修理店と比較しても厳しく、作業工程も多いので価格も高め。
・メーカーへ送付された後、修理工場に送られて作業するので、交換作業完了までに時間を要することが多い。
カルティエ社へ電池交換を依頼する手順について
カルティエ社への依頼方法は「カルティエブティック」「カルティエ正規特約店」「カルティエカスタマーサービスセンター」の何れかに電池交換希望の旨を伝えると承ってくれる。
その後、郵送や持ち込みで時計を提出し、見積もりや納期の話へと移っていく形だ。
【最寄りのカルティエショップを探す】
※GoogleMap「カルティエ」にジャンプします。
【カルティエカスタマーセンター】
0120-301-757
メール・Line等の問い合わせ先はコチラより
時計修理店でカルティエ時計の電池交換をする場合
電池交換の依頼先を考えた時に、最初に思い浮かんだ人も多いのではないだろうか。
電池交換くらいの作業であれば、メーカー依頼ではない方法でも問題なく対応可能であることが多い。
ただし、電池交換以外の点検・部品交換を行うのであれば、品質に拘る人はメーカー対応を選ぶべきだと言える。
カルティエの電池交換の費用目安
※パーペチュアル機構及び一部の特殊電池は別途作業費が掛かる場合がある。
【2針・3針モデルの費用目安】
(2針は時針と分針が付いたモデル、3針は時針・分針・秒針が付いたモデル)
電池交換のみ 2,000円~4,000円
防水機能チェック 1,000円~2,000円
不具合チェック 1,500円~2,500円
【クロノグラフモデルの費用目安】
(主にストップウォッチ機能が付いているモデル)
電池交換のみ 2,500円~3,500円
防水機能チェック 1,500円~2,500円
不具合チェック 2,000円~3,000円
以上が費用感のおおよその目安です。
電池交換のみであれば、基本的に4,000円前後の予算で足りるだろう。防水機能や洗浄オプション・不具合点検を含めると1万円くらいの予算が必要。
時計修理店依頼の長所・短所
長所
・時計修理のプロが対応してくれるため、信頼度は高め。
・独自の保証制度を設けている修理店もあり、万が一の時も安心できる。
・電池交換完了までも即日~数日で済み、価格との品質のコスパが良い。
短所
・電池交換以外の防水点検、不具合点検は別途有償対応であることが多い。
・メーカー純正品による対応が受けられない場合があり、メーカー保証の対象から外れる可能性もある。
・悪質なお店によっては、必要のないパーツ交換や点検作業を求められることも。
時計修理店へ依頼するコツ
【カルティエの電池交換を依頼する時計修理店を探す】
(※Google検索結果にジャンプします。)
ホームセンターと異なり、時計修理の専門店であれば基本的に国家資格である「時計修理技能士」の取得者が業者内に在籍している場合が多い。
このように、時計修理店には専門知識を持ったプロフェッショナルが在籍していることがウリな訳だが、全ての修理店が優良業者だとは限らない。
例えば…
・過剰な見積もりを提出するお店
・対応実績のないモデルを引き受ける無責任なお店
(↑結局対応できず、他の修理店に外注することもあるので結局高くなる)
上記例は、筆者が経験・聞いた事例の一部だ。
こうしたトラブルを避けるためには、「複数社への見積もり」が大切。
複数の業者(少なくとも3社以上)へ連絡し、概算価格や顧客対応・口コミから候補を絞っていくことをオススメしたい。
仮に、一社だけとコンタクトしていた場合、そのまま発注してしまう例はかなり多い。客観的な判断のためにも、複数社の比較はとても大切なことである。
ホームセンターでカルティエ時計の電池交換を依頼する場合
車でアクセスしやすい郊外店はもちろん、都心でもショッピングモール内に併設されることが増えてきているホームセンター。
営業時間が時計修理店やカルティエブティックと比べて長い傾向があり、利便性の高さから利用者が増えつつある。
時計修理の専門店ではないが、時計修理店の店員が常駐しているケースが多いため、意外と技量に関しても安心できる。
電池交換の費用目安
代表例としてホームセンター大手「Olympic」の時計修理サービスの表を参照すると、カルティエの時計であれば、舶来(高級)に分類されるようだ。※赤太字
種類 | 価格(税別) |
国内メーカー (例:J-AXIS/マルマン) |
1,000円~ |
国内メーカー (例:セイコー/シチズン/カシオ) |
1,500円~ |
舶来 (例:グッチ/フェンディ/バーバリー) |
2,000円~ |
舶来(高級) (例:グッチ/クリスチャンディオール) |
2,500円~ |
舶来(高級) (例:オメガ/ロンジン/エルメス) |
3,000円~ |
舶来(高級) (例:カルティエ/ブルガリ) |
3,500円~ |
ホームセンター依頼の長所と短所
長所
・他の選択肢と比べて安価且つ、短時間で作業が終わるので気軽に利用しやすい。
・時計修理店と提携、専属の技師が対応することで、品質が高い店舗もある。
短所
・時計修理に関するプロが在籍していないこともあり、アルバイト定員がマニュアル作業をしているお店もある。
・保証内容が不十分であったり、特殊な機構・高級品の電池交換を断ることもあるので、事前に公式HPで確認する必要がある。
ホームセンターへ依頼するコツ
【最寄りのホームセンターを探す】
※Google Mapにジャンプします。
ホームセンターで時計の電池交換を依頼する時には、下記項目を調べておくとトラブルに巻き込まれ難くなる。
・有資格者(※時計修理技能士)の有無
・口コミの確認
・保証の有無、保証内容と範囲の確認
有資格者の在籍有無は必ず調べておくべき項目であり、在籍しているだけでなく、店舗での作業担当者が有資格者であるか?という確認も大切なポイント。
在籍しているだけで、結局無資格者が対応しているケースも少なくないため、事前に調べておいた方が無難だ。
口コミ確認は、トラブル事例や悪評を確認し、問題のある業者を避けるためにもチェックしておきたい。
ただし、信憑性の高い口コミ情報を得る事が大切なので、SNS(Twitter/Instagram)・GoogleMapで「業者名・ホームセンター名」などで検索、確認がオススメの方法。GoogleMapは業者によるサクラレビューを厳しく規制しているため、信頼できる口コミが多い。SNSは画像や動画で情報を得られるため、文章のみの口コミよりも優れているだろう。
最後は保証に関する条件確認。
独自の保証基準は店舗や業者毎にブレがあるため、必ず範囲や内容を聞いておこう。電池交換は難度の低い作業であることは間違いないが、それでも絶対にミスが起きないとは限らない。
電池交換の自己対応をオススメしない理由
時計の本体価格が交換費用より安ければ、自己対応も視野に入れて良いと思うのだが、カルティエのような高級ブランド時計であれば絶対にオススメしない。
理由は単純に、「保証の対象外になる」「市場価値の低下を招く」「工具準備・作業の手間」「トラブル例が多い」など、避けたい事柄が多すぎるからである。
電池交換の自己対応をおすすめしない理由はこの記事で紹介しているので、気になる方は一度ご覧頂きたい。
(素人の電池交換と修理業者の対応を比較できるよう、記事内で参考動画を紹介している。)
電池交換の依頼前にやっておくべきこと
「早速、電池交換を依頼しよう!」と行動する前に、気を付けておくべきことを頭に入れておこう。
基本的に上記の5つの項目を依頼前に確認・やっておけば、後から後悔するような失敗が起きる可能性はグッと減るだろう。
1.電池交換についての購入店サポートがあるか確認する。
時計の電池交換・修理については、購入店のアフターサポートが適用されることもある。
カルティエの場合は保証期間の延長が可能であるため、CartierCareへの登録、保証条件や範囲を確認してから電池交換の対応を考える方が無難だろう。
中古の時計に関しても、販売店の保証が適用されるパターンがあるので、必ずチェックしておくべきである。
2.依頼前に時計の写真を撮影しておく。
電池交換を依頼する前に、必ず時計の全体像を写真で撮影しておこう。
修理店・宅配業者の過失でキズや破損が生じることも稀にあるからだ。少しでも所有者の目の届かない状態に置かれる場合は、依頼前の状態をいつでも確認出来るようにし、万が一トラブルが生じた際にも証拠として提示可能にしておこう。
3.パーツ交換には純正品を希望しておく。
電池交換時に修理やパーツ交換を提案された場合には、メーカー純正品での交換を希望しよう。
サードパーティー品を使用すると、メーカー保証の対象から外れてしまい、正規サポートが受けられなくなってしまうことがある。
サードパーティー品の使用を可否を問われた際には、それによるリスクをよく確認してから判断しよう。有名ブランドの時計であれば、純正パーツの在庫は心配ないのだが、モデルや機構によっては在庫が無く、結果としてメーカーからの取り寄せが必要になり、作業完了までの期間が大きく伸びてしまうこともある。
だが、純正品外のパーツ使用は時計本体の摩耗を招くこともあり、寿命を縮めかねない。市場価値が落ちる可能性もあるため、なるべく純正パーツを使うことで製品寿命・市場価値を保つことができる。
※中には、無断でサードパーティー品を使用し、後からパーツ交換費用を請求する悪質業者もいるので注意。修理業者の口コミのチェックはしっかりやっておこう。
4.概算価格を提示しない業者は避ける。
電池交換の概算価格を問い合わせた時に、現品を確認しないと判断できないと提出を求めてくる業者には注意するようにしたい。
通常、ブランド名・モデル(型番)を伝えれば、ある程度の作業工数は判断できる上、おおよその相場観の回答くらいは出来る。
現物の持ち込みを強要してくる業者は、見積もり価格の提示後、他社と比較させないために即決を迫ってくるケースが多く、トラブルの元になる。
ブランド名・モデル伝えた上で概算価格が分からないのであれば、該当時計の修理実績がない業者だと思って他をあたった方がよい。
5.作業期間について
電池交換のみであれば、基本的に長期間に及ぶことはないが、各種点検・防水機能テストを行った際にパーツ交換が必要になることもある。
そうした場合には、追加でどのくらい作業期間が延長されるのかを事前に聞いておこう。パーツ在庫によっては納期がかなり伸びるため、結局メーカー依頼した方が早く作業完了するケースも。
※修理やパーツ交換を行う場合、必ず修理証明書などが発行されるか確認しておくようにしましょう。もし発行されない場合、メーカーに依頼する方が無難です。
時計修理に関しては、業者毎にパーツ交換・点検の提案が異なったり、見積もり価格に差が出ることも多いので、損しないためにも他社との比較前に即決しないように心掛けたいところだ。
カルティエ時計の電池交換まとめ
本記事では、カルティエの時計が電池切れになってしまった場合に、どのような選択肢があるのか費用目安と共にご紹介した。
電池交換の依頼先について簡単にまとめると、
最も品質が高く、安全に電池交換をするなら「メーカー依頼」
費用と品質のバランスで電池交換をするなら「時計修理店」
利便性・スピードで電池交換をするなら「ホームセンター」
非推奨だが、作業に自信がある方は安く・早い「自己交換」
といった感じになるだろう。
価格だけで考えると、メーカー保証以外の選択肢が魅力的に思えてしまう。しかし、メーカーアフターサービスは電池交換以外にも、専門技師が磁器抜き・洗浄・内部の調整まで行ってくれる。
各種点検や洗浄オプションを追加すると結局はメーカー依頼と同じくらいの価格になるので「手っ取り早く時計を良い状態に戻したい」という方はメーカー依頼一択だろう。
※ちなみに、不具合修理・パーツ交換が発生して見積もりが高額になった場合、高額な費用を掛けて修理・交換せず、そのまま買取業者に販売するという手段もあるので、覚えておこう。
あなたの時計Lifeが豊かになりますように、読んでいただきありがとうございました。
単純に修理コストよりも市場価値が高い時計であれば、買取業者が提携する修理工房でリペアし、再販することで売上が見込める。
例え大きく破損している時計でも、一部の人気モデルはパーツ単位で需要があるため、査定してみるだけ損はない。