ダイヤモンドの買取知識

ダイヤは色で価値が激変!カラーダイヤの種類一覧と希少価値について

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    ダイヤモンドの色と価値について、業界のプロが一挙解説していきます。

    はじめに、ダイヤモンドは一般的に無色透明(カラーレス)が最も良いとされている宝石である。

    そのため、基本的なダイヤモンドの品質評価では、黄ばんだ色・やや暗い色のダイヤモンドは、宝石業界において好まれていないのだ。

    では最初に、希少性の高いカラーダイヤモンドから順番に並べてご紹介する。

    ダイヤモンドの希少性をランク付けすると大体下記のようになる。
    ※あくまで目安としてお考え下さい。

    【カラーダイヤモンドの希少性の目安】
    S+.レッドダイヤモンド
    S.ブルーダイヤモンド
    A.グリーンダイヤモンド
    A.ピンクダイヤモンド
    A.ホワイトダイヤモンド
    A.パープルダイヤモンド
    A.バイオレットダイヤモンド
    A.オレンジダイヤモンド
    B.イエローダイヤモンド
    B.ブラウンダイヤモンド
    B.   カラーレスダイヤモンド
    C.グレーダイヤモンド
    C.ブラックダイヤモンド

    上記のように、一定の基準(発色・トーン)がハッキリと見られるカラーダイヤモンドについては「ファンシーカラー・ダイヤモンド」として、一般のカラーレスダイヤモンドとは分けられて品質を評価される。

    そのため、宝石業者の中でも相場が定まりにくく、業者間でもかなりの価格差が生まれるケースが多発している。
    (※今の価値を複数の業者に聞くサービスで、おおよその市場価値を判断するのも大切。)

    「何故ここまで評価の差が分かれるのだろうか?」それについては、”ダイヤモンドの色と希少価値について”で詳しくご紹介する。

    それでは、カラーレスダイヤモンド(無色)を含めた、カラー別のダイヤモンド全13色について、その種類や価値についてを一覧で見ていこう。

    カラーダイヤモンドの種類と色別の価値一覧

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    ダイヤモンドの色合いは、原石内の内包物によって大きく左右されるため、特定の色を狙って産み出すことは出来ない。

    イエローダイヤモンドのように比較的発見される色合いもあるが、赤・青など世界に数えるほどしか確認されない色合いもある。

    しかしながら、色が付いているダイヤモンドだからといって、全てに希少性がある訳ではない。

    正直な話、無色透明なダイヤモンドは着ける人を選ばず、潜在的な需要が非常に高いことから、カラーダイヤモンドよりも市場では高く取引されやすい傾向がある。

    一部、カラーダイヤモンドの中でも希少性が高い色合いについては、特別なダイヤモンドとして無色透明な物よりも高い評価を受けるので、まずは色別の希少性を知る所から進めていこう。

    下記は冒頭でも紹介した希少性の目安一覧。

    【カラーダイヤモンドの希少性の目安】
    S+.レッドダイヤモンド
    S.ブルーダイヤモンド
    A.グリーンダイヤモンド
    A.ピンクダイヤモンド
    A.ホワイトダイヤモンド
    A.パープルダイヤモンド
    A.バイオレットダイヤモンド
    A.オレンジダイヤモンド
    B.イエローダイヤモンド
    B.ブラウンダイヤモンド
    B. ダイヤモンド
    C.グレーダイヤモンド
    C.ブラックダイヤモンド

    S以上のカラーに関しては、品質の高さによっては一流の宝石商でも取り扱ったことが無いクラスの価値になる。基本的に天然物は市場に出回らないと考えてよい。

    基本的にA以上のカラーダイヤモンドであれば、通常のダイヤモンドよりも高く評価されることが多いため、希少性は高いと思っていいだろう。主要なジュエリーオークションでも高額で取引されている。

    B以下については、比較的発見される色合いであり、色による希少性はA以上と比べて劣る。しかしながら、色の濃淡によって大きく価値が変わるため、品質の高い物はAレベルと同じ希少性を持つ。

    カラーダイヤは偶然の産物であることに変わりはないのだが、単なる濁り程度の色合いではなく、綺麗な発色をしたカラーダイヤは超希少だと言えよう。

    勿論、色合いだけでなく、人工・天然の違いや、原石を宝石にする過程での加工処理の有無・その程度も重要であり、宝石一つ一つの欠点によって大きく左右される。(詳細は後記)

    それでは、希少な色合いのカラーダイヤから順番に、一つずつ詳しく見ていこう。

    レッドダイヤモンド

    レッドダイヤモンドは最も産出量が少なく、カラーダイヤモンドの中でも一番希少性が高い。

    どのくらい希少かと言えば、世界に30個程度しか存在しないと言われている程だ。

    そのため、海外のオークションでは数億円単位で取引されることもあり、まず一般的な市場に出回ることはないだろう。幻のダイヤモンドと呼ばれており、熟練のダイヤモンドバイヤーですらお目に掛れない非常に希少なダイヤモンドである。

    レッドダイヤモンドは、後記の非常に希少なピンクダイヤモンドの色見が赤方向に濃くなったものであり、これまでに発見された最大の天然レッドダイヤモンドで5カラット程度、次点が0.95カラットと、もはや1カラット以上のレッドダイヤモンドは存在しないとさえ言われるほどの希少性だ。

    入手ルートは限られた方法しかなく、オークションに出品されたタイミングで数億~数十億円の落札を狙うくらいしか方法はない。

    売却も同じく、収集家が集まるオークションに出品するくらいしかルートがない。

    他のカラーダイヤモンドと比べてその希少性は別格であり、ダイヤコレクターが追い求める究極の逸品である。

    ちなみに、最大級のサイズである5.11カラットのレッドダイヤモンド「ムサイエフ・レッドダイヤモンド(Moussaieff Red Diamond)」は今から20年以上前に当時の2000万ドル(約22億円)で売却されている。

    「Moussaieff Red Diamond」Wikipediaより
    https://en.wikipedia.org/wiki/Moussaieff_Red_Diamond

    ブルーダイヤモンド

    ブルーダイヤモンドは、レッドダイヤモンドと同じく希少価値が非常に高い。

    最高品質のダイヤモンドの価値を1とするなら、ブルーダイヤモンドは10相当
    ※3カラットの最高品質で比較した場合

    近年ではレッドダイヤモンドよりも希少と言われることもあるが、流通数・今まで発見された原石の最大カラット(約29カラット)で考えれば、やや希少性は劣るのではないだろうか。

    こちらは後記のピンクダイヤモンドと同じく、全体の0.01%程度の割合で算出されており、天然品が市場に出回ることはほぼ無いと思ってよい。市場には人工品や特殊加工された低品質の物が多く出回っているため、必ず説明や鑑別書を確認した上で判断するようにしておきたい。

    ブルーダイヤモンドの場合は、濃い青だと内部がグレイっぽい色になってしまい、色合いが濃いだけでは低い評価になってしまうため、多少淡くても内部のグレイっぽさが少ない物が良い。

    もちろん、理想的なブルーダイヤモンドは濃い青色かつ、内部まで透き通る高い透明度を有している品であるが、元々の絶対数が非常に少ないので、理想的な品物を手にすることはほぼ不可能だろう。

    コレクターの収集品として、数十年~数百年前の品がオークションに出回る例が大半であり、ジュエリーやアクセサリーに天然のブルーダイヤモンドが使われることはほぼ無い。

    過去には、世界最大のブルーダイヤモンドがスイスのジュエリーオークションで63億円の価格で落札されている。

    「ブルーダイヤが63億円で落札、史上最高額」CNNjapan 2016年5月記事よりhttps://www.cnn.co.jp/showbiz/35082979.html

    グリーンダイヤモンド

    ブルー・ピンクと同じく、希少な色であるグリーンダイヤモンド。

    人工品が多く、天然物で色が濃いグリーンダイヤモンドは非常に稀であるため、買取店などでは真っ先に鑑定書の提示を求められる品だろう。

    一方で、世界的に権威を持つGIA(米国宝石学会)では、「高度な宝石学テストを用いた場合でも、グリーンダイヤモンドの色の起源が天然か人工であるかを、常に正しく判定出来るわけではない。」とコメントしており、グリーンダイヤモンドの存在自体を疑われてしまうことも多い。

    出回っている数が少ないため、一般的なダイヤモンドを基準とした価値の割合を出すことは難しいが、物によってはピンク・ブルーダイヤモンドと同じくらい評価されるだろう。

    少なくとも、イエロー・ブラウンダイヤモンドよりは希少性が高いダイヤである。

    2016年にはグリーンダイヤモンドが18億円で落札されており、当時の競売で世界記録を叩き出して話題となった。

    「グリーンダイヤが競売で世界記録、落札額18.6億円相当」REUTERS 2016年6月記事よりhttps://jp.reuters.com/article/green-diamond-record-idJPKCN0YN2Z2

    ピンクダイヤモンド

    最高品質のダイヤモンドの価値を1とするなら、ピンクダイヤモンドは10相当
    ※3カラットの最高品質で比較した場合

    ピンクダイヤモンドの色は、淡い赤色がベースになっており、赤い絵の具を水で薄めていく過程がピンクダイヤモンドの明度や透明性の違いだと思えばイメージしやすいだろう。

    先ほど紹介したレッドダイヤモンドは、本来ピンク色のように見えるはずの淡い赤色が、極稀に強く・ハッキリと出た希少なダイヤモンドである。

    ピンクダイヤモンドの認知度を広めたのは、意外にも低品質なダイヤモンドが多く採れるオーストラリアのアーガイル鉱山である。

    1990年代に世界のダイヤモンドの40%を産出していたオーストラリアのアーガイル鉱山では、低品質なブラウン掛かった色の小粒なダイヤモンドが多く、産出量に見合わず金額では市場全体の約5%程度のシェアに留まっていた。

    しかし、稀に小粒だがピンク色のダイヤモンドが採れたことが大きなニュースになって以降、市場に流通するピンクダイヤモンドの90%はアーガイル鉱山が原産地である。

    カット前の原石で1カラット程度であるため、カラット数が大きいピンクダイヤは希少性が非常に高い。

    現在まで8億カラットのダイヤモンドが産出されたアーガイル鉱山であるが、ピンクダイヤモンドの比率は全体の0.01%しかない。更に、2020年には採掘終了が決定しているため、ピンクダイヤモンドは入手困難な状況になることが推測される。

    天然のピンクダイヤモンドは超高額なため、一般的な市場に出回る機会はかなり少ない。市場でピンクダイヤモンドを見つけた場合は、人工ダイヤモンド・特殊な加工処理を行ったダイヤモンドである場合が殆どである。

    2017年には、香港のジュエリーオークションで過去最高額、約78億円で落札されたこともある。

    「大粒ダイヤ「ピンクスター」、香港で過去最高額の78億円で落札」REUTERS 2017年4月記事よりhttps://jp.reuters.com/article/pink-star-diamond-idJPKBN177325

    ホワイトダイヤモンド

    ホワイトダイヤモンドは希少性、人気共に高く、非常に価値があるカラーのダイヤモンドだ。

    色合いは真っ白ではなく、乳白色で半透明な色合をイメージすると近い。
    ※無色透明(カラーレス)のダイヤモンドを「ホワイトダイヤモンド」と呼ぶ業者もいるため混同されがちであるが、別の種類である。

    白みがかったダイヤモンドは比較的多いが、ホワイトダイヤモンドとして高く評価されるほど乳白色のダイヤは極僅かである。

    ホワイトダイヤモンドの色については、科学的なメカニズムでも未解明の部分が多く、とても神秘的な色合いのため人気が高い。

    カラーダイヤの中でも、「白」という汎用性の高さから、2013年に香港のオークションで史上最高額の30億円で118カラット(卵より少し大きい)のホワイトダイヤモンドを落札してニュースになっている。

    「卵大のホワイトダイヤ、史上最高30億円で落札」CNNjapan 2013年10月記事よりhttps://www.cnn.co.jp/business/35038234.html

    パープルダイヤモンド(赤紫)

    パープルダイヤモンドは幻のレッドダイヤモンドと同じくらいに希少価値が高い。

    後記のバイオレットダイヤモンドとの違いは、赤みがかった紫色である点で異なる。

    一見すると紫色であるが、鑑別結果ではピンクダイヤモンドとして扱われてしまうこともある。

    実際に、ピンクダイヤとして鑑別結果が出る例が多く、パープルダイヤモンドとして鑑別される物は年間に僅かしかない。

    更に、石に大きな力が加わると欠けたり・割れたりする耐久面を考慮すると、品質・保存状態の良い物は希少価値が高くなるだろう

    バイオレットダイヤモンド(青紫)

    こちらは青みがかった紫色が特徴的なカラーダイヤモンドである。

    バープルダイヤモンドと同じくらい希少なカラーであり、市場に出回っている数も極僅か。

    鮮やかな青紫色というよりも、やや暗く、グレーよりの青紫色に近い物が多い。青紫色の要素が少ない・グレーが強いダイヤモンドは、グレーダイヤとして鑑別される。

    実際、バイオレットダイヤモンドを期待して鑑別されるダイヤの多くがグレーダイヤに分類されているので、ここはかなり狭き門である。

    透明度の高い青紫のバイオレットダイヤモンドは超高額・大変貴重な品であることは間違いない。

    オレンジダイヤモンド

    通常のダイヤモンドは茶~黄色に近くなると価値が落ちるのだが、オレンジダイヤモンドは高い価値を持つ。

    オレンジダイヤモンドはレッド&イエローが混ざり合った色ような色であり、カラーダイヤモンドの中では希少な色である。

    綺麗なビビットオレンジのダイヤモンドが市場に出回る機会は滅多になく、基本的にオークションや仲間同士で流通するような逸品。

    過去にスイスで開かれたジュエリーオークションでは、オレンジダイヤモンドが31億円の価格で落札され、世界中で話題になったこともある。

    「世界最大のオレンジダイヤ、31億円で落札」AFPBB News 2013年11月記事よりhttps://www.afpbb.com/articles/-/3003199?cx_part=search

    同グレードのイエローダイヤモンドと比較するとその価値は10倍近い差があると言われる一方で、人工品が多く出回っている色合いでもある。

    中品質クラス、ライトオレンジ程度であれば、まだ一般人の手に届く範囲で入手可能かもしれない。

    他のカラーダイヤモンドと比較して知名度はやや低めだが、高品質のものはイエローダイヤモンドの10倍近い価値があることを覚えておこう。

    イエローダイヤモンド

    カラーダイヤモンドの中で恐らく最も有名な、イエローダイヤモンド。

    その価値は、最高品質のダイヤモンドを1として、イエローダイヤモンドは1.5程度である。
    ※3カラットの最高品質で比較した場合

    一般的に、ダイヤモンドは無色透明~やや黄色・茶色っぽい物が多く、イエローダイヤモンドと呼べるほど色がしっかりと出ていないダイヤモンドについては、希少性・価値共に低い。

    イエローカラーが濃く出ているダイヤモンドは僅かであるため希少だが、ブルー・ピンク・レッドと比べると圧倒的に多く産出される。

    そのため、イエローダイヤモンドは色合い基準(濃淡)は他のカラーダイヤよりも1ランク厳格である。

    市場にも出回っているが、天然且つ高品質なイエローダイヤモンドの割合は少ない。
    ※1カラットサイズの原石から最高等級の品質が出る割合は約5%程度である。

    イエローダイヤモンドの中でも、カナリヤ色の特に美しい品に限っては人気が高く、市場価値も一気に跳ね上がる。

    淡いイエローからブラウンよりの色まで幅広くあるが、イエローダイヤモンドとして好まれるのは濃いイエローでもブラウンっぽさが無い物である。

    そのため、イエローダイヤモンドを求める際には、色の濃さを重視するより、少し淡いイエローでもブラウン色が強くない物を選ぶ方が賢明だと言えよう。

    世界で最も大きい南アフリカ産の110カラットのイエローダイヤモンドは、9.5億円でオークション落札のニュースがある。

    「世界最大のイエローダイヤ、過去最高の9.5億円で落札」」REUTERS 2011年11月記事よりhttps://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-24193020111116

    ブラウンダイヤモンド

    無色透明なダイヤモンドと比較すると、ブラウンダイヤモンドの価値はやや低いことが多い。

    通常のダイヤモンドは黄色に近くなるほど価値が落ちるため、ブラウンダイヤモンドも昔から価値が低いとされていた。しかし、カラーダイヤモンドが普及すると共に、ブラウンダイヤモンドも若者を中心に人気が高まりつつある。

    現時点では比較的安価であるため入手し易く、イエローダイヤモンドの下位互換として捉えている人も多い。

    ダイヤモンドの発掘が行われた当初、産出されるダイヤモンドの7割が茶~黄ばんでおり、これらの品質に該当するダイヤモンドはブラウンダイヤモンドとして取り扱われていた。

    その影響もあり、ブラウンダイヤモンドの流通量は他のカラーダイヤモンドと比べてやや多い傾向にある。

    日本を代表するダイヤモンドリテーラーの「カシケイ」は、世界各地の宝石商・ジュエリーブランドにダイヤモンドを販売しているが、同社のブラウンダイヤモンド・アクセサリーコレクションは人気の商品になっている。

    今現在は水面下で話題になっている程度であるが、今後人気が高まると共に、品質の高いブラウンダイヤモンドの需要が飛躍的に伸びるのではないかと期待されている。

    カラーレスダイヤモンド

    宝石の王様の異名を持つ、最もスタンダートなカラーレス(無色透明)のダイヤモンド。

    採掘されるダイヤモンドの70%は無色ではなく、茶~黄ばみがあるため、そもそもダイヤモンドとして高く評価される品質の物は30%程度しかない。

    更に発掘されたダイヤモンドは内包物・カット・サイズ・色によって細かく区分けされる。全ての項目でパーフェクトに近い品質を持つ高級品は、全体の10~15%程度しかない。

    (中品質は25-35% 低品質は50-65%)

    ダイヤモンドの価値を下記3タイプに分けるとすれば、1カラットで考えると高品質は2、中品質は1、低品質は0.4、程度の価値比率になる。

    高品質(希少な宝石として単体で価値がある物)
    中品質(主にジュエリーとして使われる品質クラス)
    低品質(主にアクセサリーとして使われる品質クラス)

    無色透明若しくは濃いイエローのダイヤモンドは高価であるが、その他の色がうっすらと出ている程度の物は基本的に価値が低い。

    ざっくり、ダイヤモンド1万個の中に1個程度の比率でカラーダイヤモンドと呼べる品質の原石が出る。その他、中途半端な色合いではカラーダイヤモンドとしても希少価値がないため、低品質にカテゴライズされてしまう。

    肉眼で無色透明に見えても、実際に高度な鑑定を行うとカレーレス(無色)と判断されるダイヤモンドは非常に少なくなる。基本的には、何かしらの色がうっすらと存在していることが大半という訳だ。

    2017年にスイスで38億年の値が付いた最高級ダイヤモンドは、完全な無色に近い非常に高品質なダイヤモンドであると話題になった。

    「競売史上最大のダイヤ、38億円で落札 スイス」 AFPBB News 2017年11月記事より
    https://www.afpbb.com/articles/-/3150577

    グレーダイヤモンド

    グレーダイヤモンドは美しさの判断が難しく、近年まで価値を低く見られることが多いカラーダイヤであった。

    近年ではホワイトダイヤモンド同様に、品質の高いグレーダイヤモンドに高い希少価値が付く例が増えてきており、いわば発展途上のジャンル。

    ブラックとグレーのダイヤモンドは他の色と異なり、暗い印象が強く、ジュエリーとしての評価は今一つである。

    ブラックダイヤモンド

    ブラックダイヤモンドは、近年まで工業用ダイヤモンドとして流通しており、宝石として扱われる例は極めて珍しいことであった。

    天然のブラックダイヤモンドは大変貴重な一方、市場に出回る品の多くは着色された加工品であることが多い。未だ宝石としてスポットライトが当たりにくい色合いであるが、パワーストーンとしての人気が若者を中心に高まっており、少しずつアクセサリーや宝飾品としての立ち位置を確立しつつある。

    工業用品として流通していた事情から、その価値は今のところ低い。

    しかし、丁寧に研磨されたブラックダイヤモンドは黒く鋭い光沢を放つことから、入手しやすいカラーダイヤモンドとして人気になっている。

    世界的に有名なブラックダイヤモンドは「ブラックオルロフ」という67.5カラットのダイヤで、2006年のニューヨークで行われたオークションで約4000万円の落札額で取引が成立している。

    ブラックオルロフは所有者が不可解な死を遂げる曰くつきの逸品であり、発見者はもちろんロシアの王族や王妃までも死に至っている。その後、オルロフの呪いを解き放つべく何度もリカット(再研磨)され、博物館で展示されるまで多くの所有者を転々としてきた逸話を持つ有名なブラックダイヤである。

    「Black Orlov(ブラックオルロフ)」Wikipediaより
    https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Orlov

    残念ながら、今ではオルロフのような価格帯でブラックダイヤが取引されることは難しい。

    やはり、工業用品として活用されていたこともあり、カラーレスのダイヤモンドと比較すると安価になってしまう可能性の方が高い。

    まとめ

    カラーダイヤの種類と価値を纏めると、色毎の希少性と需要が価値に大きく影響していることが分かる。

    単純に珍しい色合いであれば市場価値が高いという訳ではない。ブラックダイヤモンドのように天然の黒色は希少ながらも、元々の用途が主に工業用だったことが影響し、宝石としての価値が発展途上な場合もあるのだ。

    その点、無色透明であるカラーレスダイヤモンドや、品質の高いホワイトダイヤモンドなどは、男女や使用シーンを問わずに人気があるため、安定して高い市場評価が見込める。

    ダイヤモンドの色と価値について述べたが、色合いは価値の一因でしかない。

    カラーダイヤの希少性と価値を大きく左右する部分について、次の項目で解説していこう。

    カラー以外の希少価値の要素について

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    ここまでは色別でダイヤモンドの希少性と価値について解説した。

    本章では、カラーダイヤモンドの希少性について、色合い以外で品質・希少性を左右する主な要因をご紹介しよう。

    知っておくべきは、

    通常のダイヤモンドと異なる評価基準
    天然ダイヤ・人工ダイヤの差異
    加工処理とその程度について
    欠点の箇所と程度について

    以上の4項目である。

    カラーレスダイヤにも共通している部分もあるが、カラーダイヤの場合は評価基準がやや色合いに偏るため、希少性に影響を及ぼす項目が変わってくる。

    それでは初めに、通常のダイヤとカラーダイヤの評価点について見ていこう。

    通常のダイヤとカラーダイヤと異なる評価点について

    カラーダイヤモンドの品質は、通常のダイヤモンド(カラーレス)と異なる基準で評価される。

    通常のダイヤモンドは、GIA(米国宝石学会)の基準である4C(カット・カラット・クラリティ―・カラー)でグレード分けされている。

    色合いは無色透明であり、カットは真上から光を当てると8つのハートが綺麗に浮かび上がる物が良いとされ、クラリティ―(内包物)は顕微鏡検査でも殆ど発見されず、カラット数が大きい物が品質の高いダイヤモンドである。

    これに対して、カラーダイヤモンドの評価は3C(カット・カラット・特にカラー)であることが多い。

    元々カラーダイヤモンドが希少ということもあり、もちろん色合いが最も価値としては重視される。クラリティ―については希少性を考慮すると、宝石愛好家たちも多少は許容する傾向にあり、特段目立つもの以外はあまり影響がない。カットは色合いに対して与える影響が大きいため、ここは大切。カラットは大きさなので品質に直結するという訳だ。

    問題は特殊な加工をしたカラーダイヤや、ダイヤ自体は天然であるが着色されたものがあり、これによって希少性が大きく左右されるということ。

    市場でも見かけることが多いため、カラーダイヤの品質を見極めるためにもしっかりと目を通して頂きたい。

    天然ダイヤ・人工ダイヤの違い

    当たり前であるが、ダイヤモンド自体が天然であるか・人工であるかは大きく価値に影響する。

    人工ダイヤモンドは宝飾品としては綺麗であっても、数週間程度で量産できるので、希少価値は0に等しい。

    ダイヤモンドが天然で作られる過程は何百万年~数億年という膨大な年月の中で誕生するが、人工ダイヤモンドは数週間~1か月程度で結晶を生成することが可能である。

    レッド・ブルー・ピンクなどの一般的な市場に出回りにくいカラーダイヤについては、人工品であることも多いため注意が必要。

    通常、購入前に必ず人工的なダイヤモンドであることは説明する必要があるのだが、中にはわざわざ言ってこない悪質業者もいるので要注意だ。

    仮に素材は天然のダイヤモンドであった場合でも、人工的な加工(許容される範囲を超えたもの)は、人工ダイヤと同じく希少価値はほぼ無いと言っても過言ではない。

    もはや宝石というカテゴリに含まれないものであるが、こうした人工品が多く出回るほど、天然のカラーダイヤはより希少なものになっていくと、前向きに考えることもできる。

    加工処理の有無・その程度

    ダイヤモンドを原石から宝石にしていく過程で、どの程度の加工処理が行われたかで希少性が変わる。

    もちろん、無処理で綺麗な状態のダイヤモンドが最も価値ある一品になる訳だが、人工的な処理を加えて見た目を整えたダイヤモンドもある。

    色合いの調整・傷を隠すといった処理がその代表例。

    【色合いの加工について】

    カラーダイヤで最も重視される色合いを人工的に操作してしまうと、カラーダイヤとしての希少価値はほぼなくなってしまう。(※ただし、素材が天然ダイヤモンドである場合は、元々の石の価値まで無くなる訳ではない。)

    人工的な加工方法はかなり多種多様にあるのだが、代表的な例は「放射性の照射」「トリートメント処理」「加熱処理」などが挙げられる。

    ちなみに、カラーダイヤモンドの色合いについては、加工の有無を鑑定書で判断可能だ。
    (※ダイヤモンドの鑑定書を見ると、「カラー」又は「色の起源」という項目に、「人為的照射」・「高温高圧プロセス」といった記載がされるので、簡単に区別することが可能。)

    【傷隠しについて】

    表面にコーティング剤を散布した物や、オイルを染み込ませて傷を隠す手法がある。

    これらはプロが見れば内包物や光の屈折具合で分かる。

    処理の程度によっては希少が無いと判断されることもあるので、基本的にこれらの加工がされたダイヤモンドは避けておきたいところである。

    こうしたダイヤモンドは、日本の市場にはあまり出回っていないが、米国で数多く出回っている。理論上は顧客に説明すれば販売可能であるが、一つ一つの確認はプロでないと難しく、宝石業界全体に悪影響があるとして販売を控える方向で進んでいる。

    欠点の箇所・その程度

    欠点とは、「ダイヤモンドの美しさに影響を与える要素」を指す。

    カラーレスのダイヤモンドであれば、この部分は厳格に見られるのだが、カラーダイヤであればやや緩くなる印象である。

    傷(内包物)、色ムラ、加工処理などはダイヤモンドの美しさに影響を与えると判断されれば全て欠点としてマイナスに評価される。

    加工処理は希少性という面においてもマイナス評価につながるのだが、ダイヤモンドの美しさとしても欠点になってしまうことがある。

    傷(内包物)に関しては、美しさに影響のない範囲であれば欠点にならないこともある。例えば、指輪に使われるダイヤの場合、立て爪で隠れてしまう傷などは美しさに大きな影響を与えていないと判断されることがある。

    色ムラがあるものは、ダイヤモンドとして低品質に区別されるが、カラーダイヤとして評価されることはあまりないだろう。
    (ただし、2パターンの色が混ざり合っているものは、パーテーションカラーとして希少価値を持っていることもある。)

    カラーダイヤの色と価値まとめ

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    通常のダイヤモンドの評価基準と異なり、カラーダイヤモンドは色合いが最も重視される。

    中でも特に希少なのはレッドダイヤモンド・ブルーダイヤモンドの二つ。

    この次に希少性が高い色合いはパープル(青紫)・バイオレット(赤紫)・ピンクなどのカラーダイヤなので、赤・青の色合いが強いダイヤモンドは高額な傾向があるとイメージするといいだろう。

    色合い以外の評価(内包物や傷など)が価値に与える影響は、比較的小さいことが多い。

    ただし、最重要項目である「色合い」を変化させたものについては、その価値・希少性を大きく損なうことになるので、覚えておきたい。

    天然のカラーダイヤモンドが市場に出回る機会はあまりないため、そもそも「適正相場」という概念が中々曖昧なカテゴリである。もし、購入や販売を考える際には、各店舗・業者の見積もり比較がかなり重要なため、必ず行うようにしよう。

    業者間の買取額を比べるサービス「宝石査定の窓口」の事例においても、一般的な宝石ですら業者間の差額が大きいと判明している。

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