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サファイアは色で価値が決まる?査定基準と品質の見方について

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    初めに、プロがサファイアの品質(価値)を判断する上で重要な項目は、主に下記5項目である。

    【品質判断の重要ポイント】
    1.サファイアの原産地
    2.加工処理の有無と程度
    3.欠点の有無と程度
    4.サイズ(カラット数)
    5.色合い・トーン

     

    それでは、買取業界のプロが教えるサファイア品質・価値基準ついて各項目を詳しく解説していく。

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    サファイア査定基準その1「原産地」

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    サファイアなどの宝石は、世界各地の鉱山から採掘される鉱物の中から、原石として産出される。
    しかし、1つの鉱山から全ての宝石採掘を見込める訳ではなく、鉱物を取り巻く環境によってどのような宝石が採掘可能なのか大きく左右される。

    今現在市場に出回っているサファイアは、下記8つの地域より採掘された物が殆どである。

    【サファイアの産地と価値】

    紹介順に価値が高い。

    ・カシミール
    ・ミャンマー
    ・スリランカ
    ・パイリン
    ・モンタナ
    ・カンチャナブリ
    ・ナイジェリア
    ・オーストラリア

    ちなみに、最高品質のオーストラリア産サファイアとカシミール産のサファイアでは約100倍近い価格差が生まれるため、全く別物と考えて貰って構わない。それほど、原産地によってサファイア品質が大きく左右されるのだ。

    カシミール産のサファイアは熱処理を加えないことが殆どであり、自然な状態で最高の輝きを放つ逸品として、最高峰の品質を誇っている

    また、カシミールはサファイアの産出が、市場に出回っている分を含め希少性が非常に高いものである。反対にオーストラリア産は美しさに欠けるものが多く、アクセサリーに転用されることが多い。

    「なぜそれほどに差が出るのか?」

    全ての原産地を細かく紹介するのは大変なので、4つの主なサファイア原産地を解説していく。

    カシミールが原産地のサファイアについて

    カシミール産のサファイアはこの画像のような淡い色合いであり、どこか柔らかく、優しい印象を受ける。

    しかしながら、本格的な採掘が始まった1883年から数年で、殆ど最上品質の原石は掘り出されてしまい、今では幻の宝石と呼ばれるほどの希少性を帯びることになった。

    そのため、今ではカシミール産のサファイアが産出されず、約100年以上の全盛期に産出されたサファイアが少しずつ市場に出回っている状態であり、そもそもの品数自体が少ない。

    有名なジュエリーオークションでは、アンティーク品としてカシミール産のサファイアが必ずと言っていいほどの頻度で出品されている。

    また、カシミール産のサファイアは通常の加熱処理を行わず、無処理の状態であることも特徴の一つ。
    ※熱処理加工については「加工処理の有無と程度」で解説しています。

    ミャンマーが原産地のサファイアについて

    カシミール産の次にサファイア原産地として評価が高い。
    ミャンマー(ビルマ)では、15世紀以降よりモゴック地方と呼ばれる地域で宝石採掘が始まったと言われている。ミャンマー産のサファイアは大きくて美しい濃い色合いが特徴的である。

    色の濃さは、サファイアの特徴であるモザイク模様とのバランスが重要であり、不釣り合いなバランスになってしまうと、ただ色が濃いだけで美しくないと評価されてしまう。

    この地域ではルビーの産出も有名であるが、サファイアと比較すると400倍近く多い産出量を誇る。
    ミャンマー産のサファイアも、カシミール産同様に加熱処理されていない。

    スリランカが原産地のサファイア

    カシミール産、ミャンマー産に続いてサファイアの評価が高い原産地。

    スリランカと言えば、元々宝石の採掘で有名な地域の一つである。
    古くは紀元前から今に至るまで
    サファイア
    ルビー
    ムーンストーン
    ガーネット
    トパーズ
    アメジスト
    など、他にも色々な種類の原石を算出している。

    スリランカ産のサファイアは大粒でありつつも透き通る綺麗な色合いが特徴。
    そして、やや紫っぽいブルーであるところが魅力的なポイントである。

    モザイク模様の中でやや紫色のブルーが透き通るように輝くその姿は多くの人を魅了している。

    オーストラリアが原産地のサファイア

    オーストラリアは世界で最も大きい規模の鉱床があり、サファイアが数多く産出されている。

    一方で、画像のような色見のサファイアが多く、美しさという点で他の原産地に劣っており、粒の大きさも小さい物が大半を占めるため、カラット当たりの価格も安価である。
    ※1カラット1000円以下で取引されることもあるクオリティー

    色合いが濃いだけで透明度に欠けた物も多く、オーストラリア産の最高品質サファイアであったとしても、カシミール産と比較すると100倍の価格差、スリランカ産、ミャンマー産と比べても数十倍近い価格差が生まれている。

    1980年代には、世界のサファイアの70%以上がオーストラリア産という圧倒的な産出量を誇っていたが、近年少しずつ低下している。

    サファイア査定基準その2「処理の有無・程度」

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    サファイアに対して行った処理の有無とその具合によって、宝石の希少性と価値は大きく左右されることになる。
    主に色合いの調整で人工的な加工が行われることが多く、サファイアの結晶が不透明、色が濃すぎる/薄すぎる場合に、数百度~数千度の加熱処理が加えられ、発色や透明度が調整されている。

    【許容されている宝石の処理例】

    「加熱処理」※95%以上のサファイアは加熱処理されている
    人工的な処理で自然本来の輝きを完全に再現することは出来ないため、無処理と比べて価値は低めである。
    また、処理の程度によっては内部に小さい結晶や亀裂が生じることもあるため、激しい処理が行われたサファイアは内包物が多くなり、品質に悪影響だ。

    「無処理」
    一方で、自然状態で優れた品質を持つサファイアは研磨以外の処理を行う必要が無い。人為的な調整を必要としない分、その希少性は高く・市場評価も高い。

    「オイル処理」
    サファイアにおいては一般的ではないが、主にエメラルドなどで活用される処理方法の一つ。
    キズのある面を隠すためにオイルを浸透させたり、発色の向上を目的に表面をオイルで加工する仕上げなどがこれに該当する。

    もちろん、オイルを浸透させると内包物が出来やすくなるため、品質や希少性は低下することになる。

    中には、素材は天然だが着色・染色・コーティング剤の使用・ガラス材の使用・放射線による処理をなどを利用し、綺麗な発色をさせている物もある。必要以上に加工処理を行っている物は大量生産可能なため、それらは一般的に宝石としての希少性を持たない。

    無処理のサファイアは全体でも数%程度しかないため、カシミール産やミャンマー産のサファイアの殆どが「無処理」の状態で流通しているのは、原産地の重要さと品質の高さを物語っているだろう。

    サファイア査定基準その3「欠点の有無・程度」

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    欠点とは、宝石との品質を落とす点を指す。
    サファイアなどの宝石には傷一つない状態であることが最良なのは言うまでもないが、例え傷があったとしても、美しさにどの程度影響が及ぶのかを含めて判断される。

    例えば、指輪などに使われるサファイアの場合、立て爪の下部分にあたる小さな傷は、軽微な影響として判断されることもある。
    しかし、別のアクセサリーとして転用される場合には、指輪の立て爪部分で隠れていた傷も、美しさに影響してしまうことになるだろう。

    ただ一般的に、欠点が見当たらない宝石は滅多に無い。
    サファイアの95%が加熱処理されるように、キズや内包物は当たり前にあるものだ。
    重要なのは、宝石の用途を考えた時に、欠点がどの程度影響するのか?という部分になる。

    サファイア査定基準その4「サイズ(カラット)」

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    宝石の種類毎に比重が異なるため、一般的に宝石はカラット(1カラット=2g)でサイズ・ウエイトを表している。

    宝石全般に言えることだが、基本的に大きなものほど価値が高いとされる。しかし、大きすぎる宝石は需要が見込めないため、小さくカットされて市場に出回るのが一般的である。

    市場に出回っているサファイアの多くは5カラット未満であり、5~10カラット以上は数がグッと少なくなる。買取店の相場表でも、1~5カラットまでと10以上のカラット数は価格差が大きい。

    また、サファイアの原産地によってもこの価格差は大きく違ってくる。
    オーストラリア産は小粒なサファイアが多いため、大粒かつ品質が良ければ希少な宝石になりえる。

    カシミール産のサファイアであれば、現在産出が見込めない点や、高額故に小さいカラット数の需要が高くなりつつある事情も重なり、比較的小さいカラット数のサファイアが増えてきている。
    そのため5カラット以上の大きさは、希少性から数千万単位で取引されるケースもある。

    上質なサファイアであるほど、カラット数による価格差が激しく生じるということだ。

    サファイア査定基準その5「色合い・トーン」

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    サファイアという言葉は、ラテン語で「青」を意味している。
    その言葉通り、サファイアは青く、色が濃く鮮やかなものが一般的に最も好ましいとされている。

    サファイアの色と美しさはビューティーグレード(宝石の美しさの判断)に大きく影響する。

    ビューティーグレードは、色(透明度・濃淡)による評価と、美しさ(形・内包物・配色)によって分けられている。

    色が良いサファイアは濃い青色でありつつ、透き通って宝石全体が輝くようなものである。下記オーストラリア産の画像を見ると分かるが、色は濃いが透明度がないため、美しさに劣って見える。

    1オーストラリア産のサファイア例

    一方で下記スリランカ産のサファイアは濃い青色を残しつつ、内部まで綺麗に光り輝いているのが歴然と分かる。

    2スリランカ産のサファイア例

    そして美しさとは、配色や宝石の形などの部分による評価だ。
    濃い青色の宝石であったとしても、内包物が多く、宝石の色が均一でない場合には、グレードの低い宝石として区別される。

    宝石の形は美しさに大きく影響する、画像を比べると分かるが、1の画像は宝石の内部までしっかりと光が屈折して届いていることがわかる、しかし2の画像は煌びやかに見えない。つまり、断面で屈折した光が上手く宝石の中を反射していないということだ。

    産地や色合いの評価が同じサファイアであっても、カット次第で美しさが大きく変わってきてしまうことがわかる。

    そのため、宝石のカラーだけでなく、サファイアの総合的な美しさには様々な要素が関係してくるのだ。

    一方、通常のサファイアと異なり、色合いの評価基準が複雑なカテゴリがある。

    実は、サファイアには青色を含めて、8種類の色があることをご存知だろうか。
    青い色合いのものをサファイアと呼ぶ一方、その他の色はファンシーカラー・サファイアと名付けられ、区別されている。

    ※サファイアの鉱物名は「コランダム」であり、実はルビーと同じ鉱物であるため、レッドサファイア=ルビーに該当する。

    【サファイアの主な色一覧】

    1.ブルー
    2.パパラチャ
    3.ピンク
    4.パープル
    5.イエロー
    6.オレンジ
    7.レッド(ルビー)
    8.カラーチェンジ

    最もスタンダートなブルーサファイアは全体の約50-60%程度の割合を占めており、次に多いのはオレンジ・イエローで25-30%、レッド・ピンク・パープルが15-20%程度となっている。
    ※スリランカのサファイア産出比率より

    通常のサファイアであれば、青色の濃さや透明度・彩度から品質を導き出すが、これらのファンシーカラー・サファイアは一つ一つ固有の色合いを評価する他にない。

    これらに加え、パーテーションカラーと呼ばれる、二つの色が混ざり合っているサファイアもある。パーテーションカラーは希少価値が高い一方で、特殊な加工処理によって作られた物も数多く流通しているので注意が必要。

    10~20カラットで1千万円を超えるものも存在するが、パパラチヤサファイアなどの一部は色が褪せてしまうケースもある。

    中には、加熱処理を行い品質を保つための工夫をしている場合もあるが、過度な加工による人口品が出回っている部分には注意が必要だ。

    ※着色・染色は基本的な宝石としての希少性・価値を著しく下げるため、素材の価値がいくら高くても宝石として扱われることはない。

    ファンシーカラー・サファイアの一覧

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    通常のブルーサファイア以外にもある、様々なカラーサファイアの画像をご紹介しよう。※ちなみに赤はルビーと同じであり、通常レッドサファイアとは呼ばれることはありません。

    ピンクサファイア

    ファンシーカラー・サファイアの中でも比較的少ない割合で産出される、ピンク色のサファイア。

    色合いから女性に人気があり、恋愛・出会いの運気を上げると言われている。
    コランダムのクロム内にチタンが含有されることで、鮮やかなピンク色になると考えられており、透き通ったピンク色~やや赤紫な濃いピンクまで、様々な色合いが確認されている。

    本来であればファンシーカラーサファイアは個々の美しさを評価するべきだが、需要の関係で赤紫っぽい色合いよりも透明度の高いピンク色の方が価値が高い傾向にある。

    恋愛・出会いの石といわれるだけあり、結婚指輪に使う宝石としてヨーロッパではダイヤモンドよりもピンクサファイアを選ぶ人が増えているという。

    パープルサファイア(バイオレットサファイア)

    パープルサファイアは、過去に宝石業界で良質な宝石を示す代名詞「オリエンタル」をつけて、オリエンタルアメシストという名称で呼ばれていた。

    サファイアの特徴である青色の中でも、紫の色見が強く出ているもの、赤紫に近い物はパープルサファイアとして区別される。紫色はカラーサファイアの中でも産出量が少ないため、どちらかと言えば希少な部類になるだろう。

    紫色は落ち着いた愛を意味するため、夫婦の記念日に贈られる宝石としても有名。

    コレクターを中心に人気が高く、中でも内包物が少なくてカットが綺麗なパープルサファイアは特に人気の品である。

    パパラチアサファイア

    パパラチアサファイアは、オレンジとピンクの中間に位置する色合いのサファイアを指す。
    また、「キング・オブ・サファイア」とも呼ばれている。

    宝石産出量の多いスリランカを代表する宝石の一つが、このパパラチアサファイアである。ファンシーカラーサファイアの中でも一番高い評価を受けている色合いであり、オレンジ色が強ければオレンジサファイアになり、ピンク色が強い物はピンクサファイアとして評価されてしまう。一部バランスの良いオレンジとピンクが混ざった色合いのサファイアのみが、パパラチアサファイアとして認められる。

    一部、別の鉱物と加熱処理をすることでパパラチアサファイアに似た色合いを引き出している場合もあるので、そうした偽物には注意をしておきたい。
    ※鑑別書の有無・その発行元はよく確認しておく。

    逆に言えば、それほど人気が高く、市場でも高い評価を受けているカラーサファイアであるということだ。

    イエローサファイア(ゴールデンサファイア)

    文字通り透き通った黄色~やや茶色くらいまでの色合いを持つサファイアが該当する。

    スリランカで産出される希少性の高いカラーであり、濃いイエロー且つ、品質の高い物は黄金のような輝きを放つため、ゴールデンサファイアと呼ばれ高額で取引されることもある。

    豊かさ・金運や仕事運を象徴するため、実業家や投資家を中心にお守りや縁起物として根強い人気がある。
    イエローやオレンジ系統のカラーサファイアはその他の色と比べて産出されやすいが、ゴールデンサファイアに該当する品質の物は数が非常に少なく、人気も相まって高い価値になっているのだ。

    そのため、薄い黄色・茶色っぽい黄色よりも、黄金のような色合いを持つサファイアが高く評価されている。
    ※ただし、2000年以降の加工処理技術発展で登場した、ベリリウム拡散処理によって色合いが調整された可能性が特に高く、要注意である。

    オレンジサファイア

    オレンジサファイアは別名「サンセットサファイア」「インペリアルサファイア」とも呼ばれており、イエローよりのオレンジ色~レッドに近いオレンジ色までのサファイアが該当する。
    ※サバンナに沈む夕日の色に例えられている。

    別名の通り、太陽のような力強いオレンジ色を放つサファイアは特に人気が高く、カラーサファイアの中でも評価が高い逸品である。

    こちらもイエローサファイアと同じく、ベリリウム拡散処理によって色合いが調整された品物が非常に多いので要注意。

    レッドサファイア(ルビー)

    サファイアとルビーは同じ鉱石であるため、赤いサファイアは一般的にルビーと呼ばれている。
    ※厳密にはコランダム内にクロムが1%程度含まれている物は全てルビーとして扱われる。

    ルビーの語源はラテン語で「赤」を意味する「ルベウス」からなぞらえており、サファイアと同じくラテン語の色から付けらている。
    つまり、赤色以外のコランダムは全てサファイアと名称され、赤色だけがルビーという別枠として括られているのだ。
    ※昔の人々は鉱物の種類で呼び名を分けておらず、色で区別していたため、過去にはラピス・ラズリをサファイアと呼んでいた時期もある。

    しかし、ルビーに酷似した赤色だが、ルビーの基準に満たないコランダムは非公式にレッドサファイアと名称して流通することもある。これはオレンジサファイア・ピンクサファイアの範疇で評価されてしまうだろう。

    品質が非常に良ければ、珍しい品として特別に取引される可能性もある。

    カラーチェンジサファイア

    カラーチェンジサファイアとは、光によって色合いが変化するサファイアのことを指す。
    紫~黄色っぽい緑色に変化したり、紫~赤紫に変化する物など、様々な表情を楽しませてくれる。動画はLEDライトによる変化だったが、別の光源(蛍光灯など)では異なる変化をする場合もある。

    アレキンドライトなどの一部の宝石は光源によって色合いを変化させるタイプもあるが、サファイアに関しては極稀に産出。

    美しい色合いの変化は、評価の際にプラス要因になることもあり、珍しい色の変化をするサファイアであれば希少品としての価値も期待できる。

    一方で、特殊な処理を行っている場合も多く、偽物に等しい物も出回っている。

    過去には、パーテーションカラー+カラーチェンジが組み合わさった、滅多に見ることが出来ない特別なサファイアが販売されていたこともある。

    参考までに販売ページを紹介するが、とにかく美しく、不思議な宝石である。

    「こんなの先ず出ません。パーティカラー&カラーチェンジ・サファイア1.25ct」
    http://www.seforce.jp/shopdetail/011003000058/
    (有限会社セラフアンドシーオー)

    スター・サファイアとは?

    スター・サファイアとは、文字通りサファイアの表面に光を当てた際に3本の線が交差するように、星のような光の筋(アステリズム)が現れるサファイアを指している。

    スターサファイアはモザイク模様の美しさを楽しむことが出来ないため、品質へ捉え方も通常のサファイアとは異なる。
    ※他のサファイアと光り方が異なるのは、カット方法がカボションカット(円形)であり、内部の光が乱反射しないためである。

    スターサファイアの見方としては、

    縦方向に中心線が一本入り、横軸に2本線が現れるもの良い品質とされている。
    縦方向の中心線は、宝石自体が大きく美しく見えるため価値が高い。

    普通の光の下でもスター状の光が薄っすらと表れ、ライトを強く当てた際には明確で鋭い真っ直ぐな線が出るものが良い品質であることが多い。

    反対に、線が薄かったり・スター状の光に歪みが生じるものは低く評価される。

    イエローとオレンジ色を除く色のコランダムにはスター効果が現れるため、ルビーの場合はスター・ルビーと呼ばれる。

    スリランカから全体の約90%が産出されているため、その他産地で採れたスターサファイアは大変珍しい。
    一方で、合成品も多く流通しているので、天然品と混同しないように気を付けておきたい。

    希少でありつつも、宝石としての価値は意外にも低めである。それはカット方法が通常宝石に用いられるモザイク模様(ファセットカット)ではなく、円形にカットしていることが要因。

    つまり、スター・サファイアはジュエリーとしての美しさよりも、スター効果(アステリズム)を綺麗に出すことを優先させているということ。

    指輪などのアクセサリーも、一般的にはモザイク模様のサファイアが好まれる傾向にあり、希少性と需要がマッチしにくいという実情も考えるべきだろう。

    鑑別の重要性について

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    宝石の鑑別書・鑑定書は宝石の品質を担保するためにも、絶対に確認したいところだ。

    特に、ファンシーカラー・サファイアは、ダイヤモンドのような国際的な評価基準が無く、色合いによる区別やパパラチア・サファイアなどの認定範囲が国や評価機関によって全く異なる宝石であることを頭に入れておこう。

    発行元が良く分からない海外の研究所である場合、判別が不十分であったり、不正が行われている可能性もある。特にパパラチア・サファイアについては、地元の鑑定機関でパパラチア色と判別されていたとしても、別の鑑定機関では基準外になってしまうトラブルも実際に確認されている。

    世界的に権威のある宝石機関(GIA等)の鑑別書の評価は世界的にスタンダードであるため、鑑別書の発行元はよく確認しておいた方が良い。

    【鑑定機関の例】

    GIA:Gemological Institute Of America (米国) 1933年発足
    「米国宝石学会について」
    https://www.gia.edu/JP/gem-lab
    ※世界最大の宝石鑑別機関、最も信頼できる。

    中央宝石研究所 (日本)昭和45年発足
    「鑑別書について」
    http://www.cgl.co.jp/report/identification.html

    全国宝石学協会 (日本)昭和40年発足
    「全国宝石学協会について」
    http://www.gaaj-zenhokyo.co.jp/
    ※過去宝石鑑別で不正疑惑があったが、調査の結果正常範囲であることが判明している。

    AGTジェムラボラトリー (日本)昭和46年発足
    「宝石鑑別レポートの見方」
    http://www.agt.jp/gem-identification-report/

    以上4つの機関が日本で主に利用されている宝石鑑別機関だ。
    特にGIA(米国宝石学会)は世界最高峰の宝石鑑別機関であるため、他と別格に考えてよい。

    まとめ

    以上がサファイアの品質や価値基準についての解説になる。
    非常に長くなってしまったため、おさらいも兼ねて簡潔に本記事を纏めていこう。

    1.サファイアの産地と品質
    サファイアの品質は、原産地・加工処理・欠点・サイズ・色合いによって総合的に評価される。

    原産地はカシミール産が最高評価であり、オーストラリア産は評価が低い。

    2.加工処理の有無・程度

    加工処理は、色見や美しさを良くする目的で行われ、流通する95%以上のサファイアに行われている。
    許容される範囲は加熱処理・オイル処理程度であり、染色・着色・コーティングは許容されない。

    過度な加工品は宝石としての希少性が無いため、宝石として扱われることはない。

    3.欠点の有無と程度

    欠点は、サファイアの美しさを邪魔する要素のこと。

    キズ・気泡・その他内包物によって美しさが損なわれると判断される場合、評価が落ちてしまう。
    一方で、美しさに影響しない程度であれば、サファイアの味として評価に影響しないこともある。
    どんな宝石にも、内包物が一切見当たらないことはないため、美しさに影響するか?という部分が最も重要なポイントになる。

    4.サイズについて

    サイズとは、カラット数である。

    宝石も需要と供給で成り立っているため、大きすぎる宝石は評価は高いが値段が安くなってしまう傾向がある。そのため、サファイアであれば一般的な1~5カラット程度の大きさ、特に2カラット前後は使い勝手が良いため高値で取引されやすい大きさになる。

    5.色合い・トーン

    色合い・トーンはサファイアの品質に大きな影響を及ぼす重要ポイントである。
    濃いブルーでありつつ、内部まで透き通った淡い色合いのサファイアは高く評価される。

    色は濃いが、内部まで真っ青で透明性が無い
    透明性は高いが、色が薄い・輪郭又は一部だけ非常に濃い

    などのサファイアは評価され難い傾向にある。

    産地によってサファイアの品質が異なるため、評価ポイント変わってくる。
    例えばカシミール産のサファイアはやや白い色が混ざった上品な青色を帯びている。

    一方でミャンマー産のサファイアは純粋な青色且つ、大粒であるという特徴があるため、サファイアが色やトーンだけで区別されることはない。

    6.スターサファイアについて

    スターサファイアと呼ばれる3本の光が交差してスター状の模様が出るサファイアは、希少であるが需要がやや少なく、意外にも宝石としての価値は低めである。
    光を強く当てなくても薄っすらとした光の筋が現れつつ、ライトを当てた際には真っ直ぐ鋭い光が出る品が高品質。縦軸に中心線が一本、横軸に2本の線で構成されるスター効果がベストとされている。

    駆け足でまとめると上記のようになる。

    素人では判別が難しい宝石だが、宝石鑑定の知識を少しでも知ることは非常に重要な事である。
    正確に宝石の品質を調べるには、宝石鑑別機関で鑑別所を貰うか、宝石の買取店へ査定依頼し、市場価格と共にグレードを評価して貰うことも出来る。

    買取店の評価は業者や査定員によって全く異なるため、必ず複数社(3社以上)に査定依頼することをオススメする。

    ダイヤモンドは世界的な評価基準があり、流通量も他の宝石とは比べ物にならないほどあるのだが、その他の宝石は種類が多く、鑑定方法もダイヤモンドと異なるため専門知識が必要なのだ。

    場合によっては、ダイヤモンド以外の石は「色石」と一括りにされ、グラム単位の価格提示をしてくるお店もある。だが、適切な宝石買取店を選べば、宝石毎に専門の鑑定士が品質・市場価格を導き出してくれるため、1点1点にちゃんと価格が付いてくれる。

    これを知らずに手放してしまう人は非常に多く、買取店側も「色石ですか。」と半ば買い叩こうとする傾向があるので注意したい。

    貴女の宝石、今の市場評価・価格はどのくらいだろうか?



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