本や服、家電などのように不要になった宝石も買い取ってもらえますが、高額になりやすい宝石は査定が厳しく、買い叩かれて大損することもあります。
そこで今回は、宝石を買取店に持っていく前にやっておきたい・知っておきたいポイントを3つご紹介します。
宝石は鑑定士と店舗の販売ルートで価値が決まる
宝石の価値は鑑定士が在籍しているか、店舗間の独自販売ルートがあるかないかで査定金額が変わります。これが買取店によって買取価格が違う理由です。
鑑定士が居ると、査定の難しいカラーストーンであっても正確に測定ができ、妥当な査定金額を提示してくれます。
しかし、鑑定士が在籍していない場合は本来宝石が持っている価値よりも低い金額を提示されるという事態が起こる可能性も。
ジュエリーブランドの商品ではなくても、宝石そのものの相場が頭に入っているので急な査定でも価値に見合った金額を提示してくれます。
また、店舗数の多い買取店であれば、実店舗やネットオークション、海外販売などの販売ルートを持っているため、買い取った宝石を他社に委託せずに販売していることが大半。
これにより諸々の手数料がかからず、高額な買取価格に反映させているようです。
買取価格をさげないため、宝石の質を保つなど工夫をこらすべし
買取店に赴いたとしても、買い取ってもらう宝石が汚れていたり傷ついていれば意味がありません。洗浄で宝石の品質低下を防ぐ、高額買取店をさがすなど工夫をこらしてみるのも手です。
1.査定前にできるだけキレイにする
一部のアンティークを除けば、キレイな状態のものはそうでないものと比べて査定が高くなるのが一般的です。
宝石も例外ではありません。買取店に持っていく前にキレイな状態にしたほうが査定も高くなります。
ダイヤ・金・プラチナなどの洗浄方法
肌に直接触れることの多い宝石は汚れも付きやすく、適切なケアをしないと退色・劣化や欠け・ヒビの原因になることも。
硬い石として有名なダイヤや金・プラチナなどの貴金属は、家庭で簡単に洗浄ができます。
【必要なもの】
- 極細の歯ブラシ
- 中性洗剤(食器用洗剤も可)
- 柔らかい布
- クロス(研磨剤の入っていないもの)
- 超音波洗浄機(あれば)
【洗浄方法】
- 汚れがついている場合は、ぬるま湯に5分ほど漬けておく
- 中性洗剤を水で薄めたものに漬けて、歯ブラシで磨く。裏側も忘れずに。超音波洗浄機がある場合は使用すると細かい汚れもよく落ちる
- 柔らかい布で水気を取る
- 研磨剤の入っていない宝石用のクロスで仕上げみがきする
超音波洗浄、水洗いNGの宝石もある
デリケートな宝石は、超音波洗浄どころか水洗い厳禁のものがあります。
主な宝石は次のとおりです。
- エメラルド
- オパール
- トパーズ
- タンザナイト
- ターコイズ(トルコ石)
- サンゴ
- 真珠
- べっ甲
- 琥珀
- 翡翠
- 象牙
このようにデリケートなものは、乾拭きだけにしておいたほうがいいでしょう。汚れが目立つ場合は、専門店に依頼することをおすすめします。
購入した宝石店によってはアフターサービスを行っているケースもあるので、そちらも確認してみてください。
2.高く買い取ってもらえる買取店を探す
どんなに状態のいい宝石でも、その価値を決めるのは査定をする買取店です。少しでも高く買い取ってくれる買取店を選ぶためのコツは次のとおりです。
複数の店舗で査定を比較する
同じダイヤでも、ある店では2万円の査定だったものが、別の店では35万円になることもあります。また、石のみだと査定すらしてくれない店もあります。
査定を依頼するときは、いくつかの店舗に足を運ぶことをおすすめします。また、事前にインターネットの無料査定などを活用し、おおよその査定額を知っておくといいですよ。
フランチャイズ店ではなく、できれば直営店のほうがいい
TVCMなどに登場する大手の買取店は、半数以上がフランチャイズ店です。
店ごとに微妙な違いがあるとは言え、フランチャイズ店はロイヤリティーの支払いがあるため、買取価格を低めにする傾向があります。直営店を選んだほうが、高額査定につながる傾向にあるようです。
経験豊富で信用できそうな鑑定士がいる店を選ぶ
宝石の鑑定は、豊富な知識と経験が必要です。専門機材を使いこなす技術が必要なケースもあります。
ベテランの鑑定士がいる店のほうが、納得の行く査定額を出してくれる可能性が高いです。
査定後にどうしてその価格になったかを詳しく説明できない鑑定士は、その宝石の価値をわかっていないと思ったほうがいいでしょう。
店舗ごとに査定基準はあるものの、最終的には鑑定士の目利き次第です。信用できると思える鑑定士がいる店を選びましょう。
鑑定書・鑑別書や購入時についていた箱など付属品も持っていく
宝石を購入したときについてきた鑑定書や鑑別書がある場合は、必ず一緒に持って行ってください。
他にも箱や説明書などの付属品もあるものだけでいいので、持っていくと査定額が上がりやすくなります。
「預かり」を承諾する
査定の結果、高額になりそうな宝石の場合、店から預かりの提案をされることがあります。預かり中に更に詳しい鑑定をして、正確な価値を出すためです。
鑑定機関の鑑定なしでは、買取店も思い切った価格を付けられないので、もしも預かり対応を尋ねられたら、応じたほうがいいでしょう。
業者の販売ルートを確認する
宝石を買い取った後は業者によって異なりますが、販売ルートが多い買取業者を選んだほうが、買取額は高くなる可能性があります。
リピーターになる
信頼できる店や鑑定士が見つかったら、リピーターになることで少し査定を甘くしてくれるかもしれません。信頼関係も大切です。
3.高く売れる時期を見極める
金やプラチナの相場が常に変動するのと同じで、宝石も価格が変動しています。ダイヤなどは資産運用の対象にもなっているので、株と同様、買いが増えたときがダイヤの売り時です。
売り時を見極めるためには、情報収集が重要です。
世界のダイヤモンド供給の約80%を担っているデビアス社が、毎週発行している「ラパポート・レポート」という卸値指標があります。その相場価格がダイヤの国際基準値になっているので、参考にするといいでしょう。
買取強化キャンペーン&新規開店をねらう
キャンペーンで買取額がいつもよりも高くなるケースがあります。
また新規開店の場合、在庫薄の可能性が高く、在庫確保のため査定も通常より高めになる可能性が高いです。
カラーストーンは流行とブランドに注目
カラーストーンは、ファッションと同様トレンドがあります。
ファッション誌・ジュエリー専門誌、トレンドアイテムを扱うサイトなどをこまめにチェックし、売りたい宝石がトレンドになる時期を狙いましょう。
査定に出して適正価格を提示してくれる業者を選ぼう
以上、買取店に持っていく前にやっておきたい・知っておきたい3つのポイントをご紹介しました。
宝石の状態や買取店、販売時期によって、買取額は大きく変動します。情報収集、クリーニングが終わったら、実際にいくつかの買取店で査定してもらうといいでしょう。